レニウムの応用

　　レニウムは様々な優れた性能を持っていますので、多くの分野で使われている重要な材料になりました。世界のレニウム生産量の60%以上は噴射エンジンの高温合金部品の製造に使われています。レニウムのもう一つの応用は白金-レニウム触媒で、無鉛・高オクタン価のガソリンを生産することができます。

　　高温合金:レニウムを加えるとニッケル高温合金のクリープ強度が上昇します。ニッケル基レニウム合金は普通3%から6%のレニウムを含んでいます。第二世代合金のレニウム含有量は3%で、F-16とF-15のエンジンに使われたことがあります。第三世代単結晶合金のレニウム含有量は6%で、F-22とF-35のエンジンに使われたことがあります。レニウム高温合金は工業用ガスタービンにも使われています。高温合金はレニウムに添加するとトポロジー的な密排相(TCP)を形成するので，その微細構造は不安定になる。第四世代と第五世代の高温合金はルテニウムを用いてこの現象を避ける。

　　その他レニウム合金：純タングステンと純モリブデンは、温度が低いとガラスのように脆くなり、プロセス加工が困難になり、用途が制限されます。しかし、タングステンやモリブデンの中にレニウムの適量を入れて作ったタングステンレニウム合金やモリブデンレニウム合金は、良好な塑性を持ち、各種の構造材料に加工できます。また、高硬度、高強度、耐高温などの特性を維持します。米国の有人宇宙飛行機の部品の多くはこのレニウム合金で作られました。クロムニッケル合金にレニウムを少量添加すると、合金の融点と強度を大幅に高めることができます。この合金で作られた部品は、使用寿命が数倍から数十倍まで延長されます。

　　レニウムは工業温度測定、半導体、触媒、核工業などの分野での用途にも注目されています。タングステンレニウムの熱電対糸は良好な電気性能があり、フィラメントは高温の熱電対及び陰極の糸に用いることができます。真空、水素、不活性雰囲気で使用し、使用温度範囲は0～2300℃です。レニウムの蒸気圧が低く、抵抗が大きいので、抵抗加熱時に使うと、寸法の安定性が良く、加熱効率が高く、表面負荷が高く、半導体MOCVD設備の核心抵抗ヒーターもレニウム材料で作られます。

　　また、レニウムの加工製品であるレニウム帯は、原子力核工業の熱電離質量分析器上のフィラメントとして使用されます。

　　触媒:レニウム-プラチナ合金は触媒再構成過程における触媒である。この石油加工過程は石脳油のオクタン価を高めることができます。触媒改質に用いる触媒の30%はレニウムを含む。アルミナ表面にレニウムを塗ると、オレフィンの分解反応の触媒として作用します。レニウムを含む触媒は窒素、硫黄、リンの触媒中毒現象を防ぐことができます。従って，ある水素化反応において使用される。

　　つまり、材料科学の発展に伴って、レニウムと合金はますます広く応用されてきました。